宇宙を流れる大きな法則のひとつに「引き寄せの法則」があります。
よく「磁石のように似たものが引き寄せられる」と表現されますが、これはただの願望実現のテクニックではなく、もっと深い意味を持っているのです。
私はときどき「引き寄せの法則」を「鏡の法則」と呼びます。
なぜなら、私たちの内側にあるものが、そのまま外の世界に映し出されるからです。
映画館のスクリーンのように、自分の内面がそのまま現実に投影されるのです。
内面と外の世界のつながり
この仕組みの目的は、私たちが自分の内側にある波動を“外側の鏡”として見て、気づきを得るためにあります。
たとえば、自分の中に「自己否定」があると、その波動にぴったり合った出来事や人間関係が現実に現れます。
それは決して罰ではありません。
「自己否定」を体験することで「自己肯定」を強く望むようになり、その方向へと成長していくからです。
つまり、外側の現実はいつも私たちの内側を映す鏡であり、そこから新しい願いや気づきが生まれ、魂が広がっていくのです。
それでも苦しくなるとき
しかし、この法則には大きな落とし穴もあります。
たとえば、幼い頃に傷つく体験をした人は、そのトラウマの波動に合う出来事をまた引き寄せてしまいます。
本当はいちばん「愛」や「優しさ」を必要としているのに、なぜかまた同じ痛みを呼び込んでしまうのです。
これは法則としては“公平”ですが、人の心にとってはとても過酷です。
痛みの波動がさらに痛みを呼び、それがまた波動を強め、次の痛みを引き寄せる…。
そのスパイラルに苦しむ人は少なくありません。
「自分のせい」にしないでください
さらにやっかいなのは、「引き寄せの法則」を知った人たちの間で起こる“自己責任の押しつけ”です。
「病気になったのは、あなたの思考が悪いから」
「うまくいかないのは、あなたの波動が低いから」
こんな言葉を浴びせられたら、どんなに心が傷つくでしょうか。
確かに外側の現実は内側とつながっています。
でも「全部自分のせい」と決めつけるのは、ただのスピリチュアルを装った暴力でしかありません。
視点を二つに分けてみる
ここで大切なのは、「私たちには二つの視点がある」ということです。
ひとつは肉体を持つ“いまの自分(小さな視点)”。
もうひとつは、魂としての“大きな自分(高い視点)”。
現実には、この二つの視点の引き寄せが同時に働いています。
たとえば、小さな自分は「愛が欲しい」と強く願います。
しかし大きな自分は「愛を深く知るためには、まず“愛ではない体験”を通る必要がある」と理解しています。
そのため、あえて愛とは正反対の出来事を引き寄せることもあるのです。
その体験を通じて、「これが愛ではない」と気づいたとき、初めて本当の愛に向かって進めるからです。
「望まない出来事」に隠された宝物
ですから、いま自分が直面している望まない出来事も、別の視点から見れば“魂の願いにぴったり合った体験”かもしれません。
私自身、かつて望まない現実に巻き込まれ、「なぜこんなことが起きるのだろう」と自分を責め続けたことがあります。
しかし、深い癒しの過程を経て、ある瞬間に気づいたのです。
「これは避けるべき出来事ではなく、むしろ私の魂が求めていた学びだったのだ」と。
その瞬間、抵抗がすっと消え、同じ状況がまるで違って見え始めました。
「起きていることは起きるべきこと」
「嫌な出来事は、自分の波動が低いから」
「もし本当に整っていれば、こんなことは起きないはず」
そんなふうに自分を責めるのは、もうやめていいのです。
いま起きていることは、必要だから起きています。
それが嫌な体験に見えても、魂の大きな視点からすれば、あなたの望みを叶えるための通過点かもしれません。
さいごに
私たちは、引き寄せの法則が働く宇宙に生きています。
でもそれは「いいことだけを引き寄せるゲーム」ではありません。
ときに痛みを通して、愛を知ることもある。
ときに失敗を通して、本当の自由を理解することもある。
だからこそ、いまのあなたの現実を「間違い」と決めつける必要はないのです。
もし苦しい出来事の中にいるなら、少し深呼吸して、こうつぶやいてみてください。
「これは私に必要だから、いま起きている」
その視点に立つと、抵抗がやわらぎ、隠されていた光が少しずつ見えてきます。
そしてその光こそが、次の扉を開く鍵になるのです。
✨今日の問いかけ✨
あなたはいま「望まない」と感じている出来事の中に、どんな光が隠れていると思いますか?